JAMA Medical News & Perspectives
JAMA. 2020;323(16):1540-1541. doi:10.1001/jama.2020.5186
Circulation誌に掲載されたココナッツオイルとサフラワー油などを摂取した17論文のレビューによると、
・ココナッツオイルの方が総コレステロール、LDLコレステロールとも10mg/dL以上上昇した。
・中性脂肪や血糖値、炎症マーカーを下げる効果は認められなかった。
・LDLコレステロールを下げる研究のデータを元に考えると、ココナッツオイルでみられた10.47mg/dLの増加は、狭心症・心筋梗塞のリスクを5.4%増加させる。
・HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)を増加させる作用もあるのでは?という意見もあるだろうが、HDLコレステロールを増やすとされるナイアシンなどでは心筋梗塞による死亡は減らなかったし、臨床的に良い結果には繋がっていない。
・ココナッツオイルの脂肪酸の半分を占める飽和脂肪酸(ラウリン酸)は中鎖脂肪酸だから、長鎖脂肪酸のようにLDLコレステロールに悪影響を与えないというかもしれないが、身体のなかの挙動は中鎖脂肪酸より長鎖脂肪酸に近いし、ココナッツオイルの25%はミリスチン酸・パルミチン酸の長鎖脂肪酸だよ。
・脂質界隈では、ココナッツオイルは身体に良いか?はずっと前に結論がでていて、他の食用油と比べて健康へのメリットはない。
マーケティングがうまくいっている、とのことです。
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