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執筆者の写真木村 俊運 @ 日本赤十字社医療センター

ニュータイプの時代...

更新日:2019年8月6日

もうすでに自分はオールドタイプかもしれない、と思って読んでみた。

クソ仕事,脳神経外科,脳卒中

今の時代、身の回りにある解決されるべき問題の多くは、解決されているか、少なくとも「何かが足りないこと」に対する解決方法はすでにある。


"ケインズは1930年に記した論文で「100年後には周に15時間働けば十分に生きていける社会がやってくる」と予言しています。(中略)

求められるニーズが一定であれば、生産性の向上に伴って投入されるべき労働量は減少するはずですが、一向にそうなっていない。(中略)

私たちの多くは実質的な価値や意味を生み出すことのない「クソ仕事」に携わっている、ということになります。"



「クソ仕事」と名指しされると、非常に不愉快に感じるが、医者の、あるいは脳外科の仕事にもきっとこういう仕事があるだろう。

個別の手術が「クソ仕事」かどうか、「人の命が関わっているのにクソ仕事とはなんだ!!」と怒られるかもしれないが、いろいろ書き出していたら、暗い気持ちになって仕事に戻れなさそうだ。


"そして実際、昨今実施されている各種の統計や調査では、大多数の人々は、自分の仕事が社会になんの価値ももたらしていない、と感じていることがわかっています。"


幸い今のところは「え?これ手術の必要ある?」とか「誰が得するの、この治療は?」みたいな仕事はほとんどせずに済んでいるので、それだけでも幸せだなあ。


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そもそもこの本のことを知ったのは、NewsPicksの記事で

「日本車は機能で勝負しているが、ランボルギーニなどのスポーツカーは意味で勝負している(ので価格のレンジが違う)」と述べていて、なるほどなと思ったからだった。


医療業界にはなかなか当てはまらないかもしれないが、あえて言うなら産科では「oo病院で産みました!!」というのがありえて、かつ保険診療でないため価格差ができるところかなと思う。

脳外科はどちらかというと機能(=成績)で勝負な科ではあるが、同じくらいの成績が期待できるなら「テレビに出ている医者に切って欲しい」という「意味」の世界がありうるかもしれない。


(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)

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