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執筆者の写真木村 俊運 @ 日本赤十字社医療センター

禍いの科学


脳外科

「世界を変えた101の発明」に触発されて、現代社会にも悪影響を及ぼしている7つの発明を紹介している。


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その中のロボトミー手術についての物語は、職業的には気になるところであったが、少なくとも今から見ると”いい加減な”手術が許されたのは、CTも無い時代で、精神疾患に有効な治療がほとんど無かったことが影響しているだろう。

患者の家族としても、それこそ"藁をもつかむ"思いだったに違いない。


1950年代までの話なので、仕方ないといえば仕方ないのだろうが、現在の(手術)症例報告でもそのような悪影響を及ぼす可能性があり、やはり(合併症への言及を含めた)真摯な態度が必要だろう。


しかし、ローズマリー・ケネディ(ケネディ元大統領の妹)までロボトミー手術を受けており、うまい話や、手っ取り早い解決法を提案された場合には、一歩立ち止まって考える方がよい、という点では教訓になるかもしれない。

(一方で、中くらいのサイズの未破裂脳動脈瘤で悩んでいる患者さんと話すときに、「そんなに悩むくらいなら、手術する方が絶対手っ取り早いし、QOLが上がるはずなのに」と思うこともあるが)


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PSAやマモグラフィなど、どれくらいの人が本当に助かっているかを見ても、なかなかデータ通りに理解して納得するのは難しいだろうな。


(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)

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