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執筆者の写真木村 俊運 @ 日本赤十字社医療センター

脳外科解局所剖(どっちがどっち)

手術中に見学の医学部生や若いドクターなどに、試問と称して解剖の知識を問うことがある。

後頭蓋窩の手術では、後頭下筋群は格好の質問ネタだ。

つまり、複数の筋肉があって、質問しやすいということ。


大/小後頭直筋は、大孔周囲の手術では、ほぼ必ず出てくるのだが、毎回どちらだったか、紛らわしい筋肉である。

(本当にpracticalな話だけすれば、名前を知らなくても手術はできると思われるが、自分だったらそういう外科医は避けたい)


紛らわしい理由として

1. 大後頭直筋の方が細く見えることが多い。

2. 小後頭直筋も左右に分かれているもの?だが、実際には扇形の1枚の筋肉のように見えることがほとんどであるため、なおさら「こっちの太いのが"大"後頭直筋?」と誤認する。

(大孔の背側に棘突起の名残のような稜線があるが、これが筋肉を割って見えるようなことはないと思われる。)


小後頭直筋が本当は左右に分かれている筋肉だと分かれば、こちらの方が明らかに"小"と分かる。


また、どちらの筋も、下項線に停止しているので、C1から起始している内側の短いやつが小後頭直筋。

C2から起始しているから、長い方(major)が大後頭直筋という覚え方もできる。



脳外科,手術
大小紛らわしい。

注;「術野が赤くてよく分かりません」という答えは、正しくても言わない方がよいので、医学部生/脳外科に行こうと思っているレジデント諸氏は注意して下さい。


(文中意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である。)

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