top of page
執筆者の写真木村 俊運 @ 日本赤十字社医療センター

血管を蘇らせる食事

脳梗塞の後、「再発を予防するためにはどのような生活をすればいいですか?という質問をいただくことは多いです

さらに頸動脈の内膜剥離術という、たまったプラークを切り取る手術を行った方なんかは余計にそうなります。この手術は、剥がした検体をご家族や本人に見ていただくことも多いので、(俺の血管にこんな分厚いこんなのが溜まっていたのか...)と仰る方も多く、余計にそう思われるのかもしれません。


動脈硬化, 脳神経外科, 内頸動脈内膜剝離術, 脳梗塞予防, ステント
血管の中に溜まったプラーク

その時に、うろ覚えだったものの「ヴィーガン・ダイエットをすれば、貯まったプラークが減るっていうようなことを読んだことありますよ」と伝えていたのですが、もともとの原典がどこかをどこだったかを探していたのです。


それで、「あ、これだったのか!」というのが「血管を蘇らせる食事」


動脈硬化, 脳神経外科, 内頸動脈内膜剝離術, 脳梗塞予防, ステント

口絵にある冠動脈狭窄、つまり狭心症や心筋梗塞の原因となる病変が、3年でキレイな元通りの血管に戻っている写真を、どこかで見たのだと思います。


動脈硬化, 脳神経外科, 内頸動脈内膜剝離術, 脳梗塞予防, ステント
上の写真を覚えていたらしい

このブログを読んでくださっている方にも、脳梗塞を防ぐにはどのような食事をすればいいか、というのを気にされてる方も多いと思います。


どこまで信用していいのか正直分かりませんが、このエステルスティン博士の言葉を信じるなら、かなり厳格な野菜食は、脳梗塞を起こすほど進んだ動脈硬化症を健康な状態に戻すことができるのかもしれません。


実際に読んでみると、通常の ヴィーガン・ダイエットよりもこれは結構厳しいんじゃないかという内容です。

赤身肉はもちろん鶏肉も魚もダメ。チーズもダメ。卵もダメ。油は一切使わない。

ナッツもダメ、アボカドもダメ、ココナッツもダメというもの。

地中海食で多用されるオリーブオイルもダメです。

本当に野菜のみ。心臓が悪くなければ、くるみは食べていいらしいです。


実際にクリントン元大統領が2度、心筋梗塞を患った後、この食事で健康になったという例が挙げられています。


しかし、今まで普通の日本食を食べていた人が、そんなに動物性タンパク減らしていいんだろうかという疑問はあります。

(よく言われることとしてヴィーガンダイエットにすると、動物性食品を摂取しないため、ビタミンB12、鉄、カルシウム、オメガ3脂肪酸などの栄養素が不足しがちなので、補充する必要があります)


あと、赤身肉も魚も卵もやっぱり美味しいので、実際に心筋梗塞になった後で、しんどい苦しい動けないということならともかく、予防のために今からここまでできるかというと僕には無理です。

(本書では、このような厳格な食事でも、慣れるし楽しめる、と述べています)


また、食べる愉しみを減らして、じゃあ自分は何のために生きているのか?という哲学的なところにも関わってきそうです。


ただ、この本に載っているサラダとかスープとかのレシピはちょっと試してもいいかなと思っていて、自分ができるところをつまみ食いする形でもいいんじゃないかなと思いました。



注;木村はこの本で述べられているような食事をしているわけではありません。


自分自身、野菜は結構摂っていると思いますが、下のレシピ集は野菜スープがいろいろ載っていてお薦めです。出汁もタマネギのウォーターソテーのみなので、上記のコンセプトに合っています。


動脈硬化, 脳神経外科, 内頸動脈内膜剝離術, 脳梗塞予防, ステント
全般的に優しい味です。


最新記事

すべて表示

あの時はCT必要だって言ったじゃん!

転倒して頭をぶつけて脳外科の外来や、救急外来を受診される方はたくさんいます。 「皮膚が切れて出血した」ということでの受診、救急搬送であれば、創の深さを評価して、必要なら縫ったり、ステープラーでバチンと止めて傷を寄せ、止血する処置を行います。...

コメント


bottom of page