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脳神経外科 木村 俊運のページ
脳外科手術をより安全に
特に「1. 動脈瘤の大きさ」は、どの論文でも必ず1番目のリスク因子として挙げられており、大きさが大きいほど出血のリスクが高くなります。

出血前に見つかっていてくも膜下出血を起こした動脈瘤の1例。
13mm大の前交通動脈瘤。
また、「2. 動脈瘤による症状がある」というのは、未破裂脳動脈瘤の経過を見た論文ではあまり出てきませんが、治療を強く勧める動脈瘤になります。
特に、動脈瘤のために、ものが二重に見えて、まぶたが下がってきている(動眼神経麻痺を起こしている)場合には、2週間以内に半数が出血を起こすとも言われ、(癌などで余命いくばくもないなど) よほどの理由がなければ緊急の治療をお勧めします。
※ 未破裂脳動脈瘤の出血率調査は、基本的に「無症候性」未破裂脳動脈瘤、つまり症状のない動脈瘤の話なので、症状のある動脈瘤は別扱いになります。
動脈瘤がすごく大きく、脳自体を圧迫して症状を出している場合には、くも膜下出血の危険もありますが、それ以上に、さらに大きくなることで、失明や麻痺によって寝たきりになるリスクが出てきます。

70代女性、大型動脈瘤による視野狭窄

手術所見

バイパス(矢印)を併用したクリッピング術
